それは最善か・・と現状否定
ダイムラーベンツのものづくりの思想に『最善か無か』という言葉があるのは皆さんご存知だろう。これはダイムラーベンツのつくる車は最善であるかもしくはそれ以外は無いという意味である。
すなわち中途半端なことはしないという厳しいものづくりの思想である。今回、新年度に向けてこれまでの私たちのものづくりの思想を現状否定し、再構築する必要があると現在考えている。
その中で『それは最善か』という視点が大切だと考えたが、『それは最善か』という言葉の中には現状を良しとし、さらに高みを目指すという意味があることに気づいた。
現状を否定するということは極端に言えば今やっていることは『ダメだ』と考えることに他ならない。すなわち御破算にして最初から考えるということなのだ。だからこそ変化し、成長することができるのである。
現状の延長線上で物事を考えている間は大きく成長することは難しい。自ら現在やっていることを否定し、ダメだと思うことは非常に勇気のいることなのである。誰でも今時分のやっていることがダメだとは思ってもいないだろう。しかし、大きく視点を変え成長する為には現状否定することが不可欠だと思う。
ダイムラーベンツの『最善か無か』すなわち最善以外はありえないという思想の影には常に現状を否定し、多角的に物事を見なければ最善には達しないというメッセージが隠れているように思うのである。
私たちのものづくりはこれで良いのだろうか。私たちの様々な事業もこれで良いのだろうか。今の延長線上に思考を置かず、一度全てはダメなのだと考え再構築することに私たちの大きな一歩があるのかもしれない。