任せて任さず

　松下幸之助の残した金言には多くの言葉があるが、その中でも私が好きな言葉に『任せて任さず』がある。
　会社の中でも『この前君に任せた仕事はどうなっている・・』『全然進んでないじゃないか・・』という言葉は少なからず耳にする。
　『任せる事と放置すること』、そして『任される事と勝手にやる事』は全く別の次元の事である。任せた方は常にコミュニケーションをとり、問題点等をチェックしながら必要であればフォローし、仕事が円滑に進むようにする。
　また、任せられた方はこれが上司だったら・・社長だったらどう考えるだろうかと思いを巡らせ、そして進捗状況を逐次、報告・連絡・相談しながら進めていく事が大切なのである。
　任せたと言って放置し、任せられたと言って勝手に進めていたのではお互いの信頼関係を構築しながら良い仕事はできない。
　また、彼は部下を育てる事において『その至らざる点をおぎなうこと』と言っている。部下の成長を見守り、不十分なところは補い、成長を見守る事が『任せて任さず』という事なのだ。
　この言葉は、自らに言い聞かせ、グッとこらえて成長を見守って行きたいと思うのである。そこには双方の成長があると信じたい。