長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

贅肉をそぎ落とす

 贅肉とは身体のそれを言っているのではない。私たちの企業のそれを言っているのだ。
 今回、政府と日銀がデフレ脱却の為に出した共同声明は、これまでとは違うというメッセージを市場に対して投げかけた。
 私は経済の評論家ではないので詳しい事は分からない。しかし、2%の物価上昇率の目標は金融緩和だけでは達成するのは難しいのではないのではないかと思う。政府との緊密な連携が必要だ。
 先ずは、財政出動から景気を刺激し、そこから良い循環に持っていきたいのだろうが、日本の企業の99%が中小企業であり、その内の74%が小規模事業所である。製造業に至っては、99.3%が中小企業であり、約85%が小規模事業所だ。
 問題はこの構造にある。先日、経団連は今年の春闘においてベースアップは実施する余地はない、また定期昇給に関しても凍結するかまたは実施時期を引き延ばす必要があると述べている。こんな中で物価上昇率だけが2%上昇したとすれば危険だ。経済が活性化し、国民の所得が上がることが前提である。
 現在、あまり議論されないが社会保険料の料率は毎年0.354%ずつ上がり続け、それは平成29年度、18.3%まで続くのだ。経団連が言う様に定期昇給すら、凍結されるとすれば、国民の可処分所得は実質減ってしまう事になる。
 こんな中で消費税が増税されれば、さらに国民の財布のひもは固くなるだろう。これは最悪のシナリオである。こうならない様にするには私たち企業経営者が危機感と緊張感を持って経営する事が大切なのだ。
 規制が緩和され、諸外国から様々な製品が市場に入って来た時、それに対処するため、贅肉をそぎ落とし、身体能力を高めておく必要がある。その為に、私たちは必要に応じて組織を変え、潜在化していた問題点を顕在化させ、筋肉質な身体に変わらなければならない。
 これからのかじ取りは困難を極めるかもしれないが、やらねば生き残る事は難しい。日本国内のものづくりは安価で誰でもできるものではなく、高付価値で日本人にしかできないものしか残らない様に感じる。私たちは安いものを安く売るのではなく、付加価値が高いものづくりを最大限の効率のものとに行える企業を目指す。
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