長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ウォーターハンマー

 ウォーターハンマー(水撃作用)は、消防車を運用する際に最も注意しなければならない事のひとつだ。
 私たちは、ALPASスーパーストラクチャー製の車両の開発により、3トンベースシャシに最大1500リットリの水槽を搭載する事が出来るようになった。
 これは、タンク車としての運用を行わなければならないという事だ。タンク車は、中継送水を受ける時、中継口で受けるか、タンク積水口から受けるかを選択する事が出来る。
 タンク積水口から受ける時は、送水圧力に注意が必要だ。特にタンク停止弁機構が内蔵されているものについては、ラフな送水も可能だが、それ以外のものは積水口に指示された圧力を守る必要がある。何故なら、タンクが満水になる瞬間にウォーターハンマーを起こすことがあるからだ。
 さらに、中継口から中継を受ける場合は、タンク吸水コックを閉止しなければならない。昨今では、ガンタイプノズルの普及により、0.7Mpaのノズル圧を保持する運用がなされている。
 したがって、吸水コックから回り込んだ水は高圧でタンクに侵入し、満水になる瞬間ウォーターハンマーによりタンクを損傷してしまう可能性があるからだ。
 ウォーターハンマーは、急激に流れが閉止された時、運動エネルギーが行き場を失い、圧力エネルギーに変換され、その伝播速度は1425m/sと、音速の約四倍強で伝わることとなり、これが衝撃波として、流体機器を損傷させることになるのだ。
 私たちは、流体機器を製造するだけではなく、その原理や運用方法もお客様に丁寧に伝え、消防車両が最善の状態で運用できるよう努力しなければならない。
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