長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

和して同ぜず、同ずれど和せず

 『和して同ぜず』は論語の中に出てくる一説で、実際は『君子は和すれど同ぜず、小人は同ずれど和せず』という。君主は人と協調はするが人の意見に左右されたり、調子を合わせたりしない。しかし小人は調子を合わせるが決して全体の調和まで考えているのではない、という意味だ。
 社会、政治の世界、そして企業の中でも『同ずれど和せず』が最近目に付く。自分の都合のよい事には調子を合せ、都合の悪い事は関係が無い様に振舞う。俯瞰的な視点で物事を見ず、枝葉を捉えて大騒ぎをする。出来ない理由を探し出し、議論を混乱させる。
 大切な事はどうすれば前に進む事が出来るかを考える事である。出来ない理由を探すのではなく、出来る方法を探すのだ。
 私たちは『和して同ぜず』を実践して行こうと思う。企業の中では特に部下を叱らなければならない場面ではしっかりと叱って欲しい。
 叱らないことで部下とうまくやろうとする事は間違いだ。この様な組織には緊張感がなくなり、最後は部下は勘違いをしてしまう。
 以前にも書いた事があるが、ある書物に『和気藹々』とした職場をつくるために、部下を叱らず、叱らないことで人間関係を保とうとしている上司が増えてきている、と書かれていた。
 本当の『和気藹々』とは言うべきことをお互いに言い合いながら保つことが出来る人間関係を言うのであって、決して部下の機嫌を取ったりすることで保たれる関係を言うのではないのである。
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